そんな淳ちゃんは、あたしだけに優しいと思っていた。 外では喧嘩ばかりしているのに、猫を撫でるようにあたしの頭を撫でてくれる。 あの優しい顔が見れるのは、あたしだけだと思っていた。 なのに…… つい最近、見てしまったんだ。 髪の長い女性が、淳ちゃんと一緒に歩いているのを。 淳ちゃんは彼女の肩に手をかけ、身を寄せていて。 あたしの知らないような顔で彼女を見ていた。 その瞬間、あたしの心の中で何かが音を立てて崩れた。