隼人との関係は、ゆっくり深めていけばいい。
もう、心の奥で繋がっているのだから。
隼人がトラウマを克服出来てその時がきたら、あたしたちは必然的に結ばれるだろう。
「隼人、本当に良かったよ」
思わずそう言うと、
「え?」
いつもみたいに優しく聞き返してくれる隼人。
きっと、隼人はすごく怒る。
だけど、あたしは伝えたいんだ。
あたしが、隼人にとってただ一人の特別な人になれるかもしれないから。
「すごく嬉しい。
隼人が童貞で」
隼人はさらに紅くなって、淳ちゃんを見る。
見るなんて甘いものじゃない。睨みつけていた。
「じ……城内。
てめぇマジで……
ブッ殺す」
隼人の悲鳴のような声が、夏空に響いていた。