「神木」
ふと声がして、あたしと隼人は病室のドアを見た。
そこには眺めの髪をなびかせた斉藤先輩がいて。
相変わらずなスウェット姿で、腕を組んでたっていた。
「いや……橘か」
慌ててそう直す斉藤先輩。
恐らく事情を淳ちゃんから聞いたのだろう。
そして、隼人が「神木」の名を棄てたことも。
だが、
「どっちでもいい」
意外な言葉を発する隼人。
神木と呼ぶ人全てを避けていた隼人からは考えられない言葉だった。
「どう呼ぼうが関係ない」
そこにいる隼人は、確かに過去も全て認めていて。
橘隼人の優しさと、神木隼人の強さを合わせ持った隼人だった。



