思わず隼人を見た。
隼人、また悲しい顔をしているのではないかな。
自分の過去を思い出し、罪の意識に苛まれているのではないかな。
だけど、隼人は意外にもすっきりした顔をしていて。
「俺さ、やっとありのまま生きれそうな気がするよ。
過去に怯えたり苦しんだりせず、まっすぐに生きれそう」
「え…?」
「弱い自分とさよなら出来た気がするんだ」
開け放たれた窓から、初夏の爽やかな風が舞い込んできた。
それが隼人の髪を掻き上げ、穴の塞がらない耳たぶを見せる。
「いっぱい辛い思いをさせてごめんね。
でも、美優のおかげだよ、ありがとう」
「何が?」
訳もわからずそう聞くと、隼人は何でもないと笑った。
その笑顔は陰りのない明るい笑顔で。
あたしも嬉しくなって笑っていた。
こうやって隣にいるだけで、
隼人の笑顔を見ているだけで、
あたしはとても幸せです。



