「隼人の馬鹿!!
ここで負けていいの?
不敗伝説を貫くんじゃないの?
隼人は正義ぶってるけど、そんなの正義じゃない!」
あたしは叫んでいた。
「隼人がいなくなったら、
悲しむ人はいっぱいいるんだよ」
「美優……」
隼人は悲しげな顔であたしを見ていた。
まるで、捨てられた仔猫のような孤独な顔だ。
「俺なんて……」
俺なんて、じゃない。
あたしも、
淳ちゃんも、
あやちゃんも……
達也さんたちも、
斉藤先輩だっているじゃん。
ねぇ、正義の味方なら、悲しませないで。
あたしたちを置いていかないで。
「さよならだよ」
隼人はそう言って、満面の笑みを浮かべる。
何の陰りもない、幸せそうな笑顔だった。
「隼人、やだ……」
あたしの声が響き渡る。
「行かないで!
行かないでよ、隼人!!」



