彼はお花畑の向こうから、こっちへゆっくり歩いてきた。 白いシャツに、ベージュのパンツ。 焦げ茶の髪は、微かに揺れている。 その優しい顔であたしを見て、にこっと笑ってくれた。 だけど…… 隼人は、ギリギリあたしの手の届く場所で立ち止まる。 そして、寂しそうにあたしを見た。 「美優は来ちゃいけない」 なんで…… 「美優は生きなきゃ」 え…… それって隼人、もしかして……