ふっと頭を撫でられたような温かさを感じる。 隼人は前にいるのに、後ろから抱きしめられた感覚さえ感じた。 心が温かくなって、なんだか嬉しくなって。 あたしは満面の笑みを浮かべていた。 隼人、そこにいるの? 閉じた目を開くと、目の前には綺麗なお花畑が広がっていて。 見たこともない黄色の花がさわさわと揺れていた。 心が癒されるこの景色。 だけど何だか寂しかった。 「美優」 あたしを呼ぶ、愛しい声が聞こえる。 その声で、再び名前を呼んで欲しかった。 ……やっぱり無事だったんだね、隼人。