ー美優sideー 「今日が山でしょう」 先生にそう告げられてから、どのくらい時間が経ったのだろう。 煌々と光るICUから出てきた隼人は、別人のようにやつれていて。 ただ、時折曇る酸素マスクと心電図のみがその生を語っていた。 淳ちゃんは俯いて座っていたが、警察に呼ばれて去っていった。 ただ一人残されたあたしは、血の気のない隼人の手を握りしめて涙を流していた。