物思いに耽っているあたし。 斉藤先輩も、新しい煙草を取り出した時だった。 バーン!! 凄まじい音がして、バーの扉が開いた。 そして、逃げるように黒服の男が飛び出していく。 血に染まったそのシャツを見た瞬間、嫌な予感がした。 隼人、大丈夫だよね? 不敗伝説を貫いていたくらいだから、あんな人たちに負けないよね? そう自分に言い聞かせのに、胸騒ぎが止まらない。 あたしは恐怖で震えていた。