言葉を発する間もなかった。 淳ちゃんは力一杯あたしの腕を引き、あたしをバイクに乗せる。 淳ちゃんの悪趣味なバイクは黒い煙を吐き、爆音を立てて走り出した。 隼人は、あたしと淳ちゃんが二人でいても、きっと気にしないだろう。 だけどそれ以前に、自由奔放な淳ちゃんに腹が立つ。 あたしにはあたしの都合があるのに。 「ちょっと!!」 叫ぶあたしを乗せたまま、まるで悪役のような高笑いを上げて淳ちゃんは街へとバイクを走らせた。