「お兄ちゃん?」 慌てて呼び止めるが、お兄ちゃんはあたしの横を素通りする。 まるで、何かに取り憑かれたみたいに。 そして…… 行為が行われているその部屋の扉を、乱暴に開いていた。 バーン…… 凄まじい音が鳴る。 それと同時に、響いていた女の声が止まった。 あたしの前にいるお兄ちゃんの向こうには、素っ裸のお父さんと女の人がいて。 女の人は、なかば怯えたようにお兄ちゃんを見ていた。 だけど、お父さんは口元を歪めて楽しそうに笑った。