「おい、てめぇ飯食わねぇなら、俺が食うぞ」 そう言って、これ見よがしに唐揚げを口いっぱい放りこむ。 周りの客は、そんな俺たちを物珍しげに眺めていた。 神木の存在は、この地区の脅威だった。 大概の若者は、奴のことを知っていた。 そして、当然俺もこの辺りでは有名だった。 俺たちが宿敵同士で俺が負けて入院して…… 巷では、「城内は神木に消された」ことになっている。 そんな俺たちが二人で居酒屋に入り、神木に至っては、しょげて半べそ状態だ。