あたしの出る幕はないと思った。
このまま盗み聞きを悟られないうちに帰った方がいいと思った。
「そういえば城内、美優は?」
「知らねぇ。逃げられた」
「はァ!?ふざけんな、てめぇ」
騒ぎ声を後ろに、あたしは広場を後にした。
そして、足早に家へと向かった。
隼人があたしと別れる選択をせず、本当に嬉しかった。
結局、利枝に関しても心配するに値しなかった。
利枝は元カノでも何でもなく、ただ隼人を狙っているだけのようで。
ウジウジしていた自分が馬鹿馬鹿しく思えた。
一人で帰る帰り道。
いつも寂しく思っていた。
だけど、今日は寂しさなんて微塵もない。
それは、隼人や淳ちゃんのおかげだよ。
駆け引き……
隼人はそんなことを言っていた。
だけど、隼人は駆け引きなんてしていない。
ヤクザとの一件にはもとから首を突っ込んでいるから。
隼人も意外と知能犯だな、なんて思った。



