鼓動が止まってしまいそうなほど速い。 全く状況が理解できなかった。 隼人は利枝を振り払い、利枝は隼人の足元にふらふらと座り込む。 そんな利枝を、隼人はさらなる高みから見下ろしていた。 「それと……」 突風が隼人の帽子を巻き上げ、焦げ茶の髪が月の光を浴びて金色に輝いた。 そして、隼人はゆっくり眼鏡に手をかける。 「お前らも、この女にムカついてんだろ。 俺が許可するから……」 身体を寒気が走る。 「気が済むまでこの女をボコってやれ」