「淳ちゃんが神木に……淳ちゃんを狙う奴に襲われた時も、あたしは何も出来なかった」
「そっか…」
「淳ちゃん、死にかけたんだよ?
なのにあたしは……」
「美優」
前にいる隼斗を見て、はっと息を呑んだ。
隼斗はなんだかすごく辛そうな顔をしていて。
優しい隼斗のことだ。
あたしがあまりにも暗い話をするから、あたしに感情移入してしまったのかもしれない。
いつまででもクヨクヨしていてはいけないと分かってたのに、つい隼斗の優しさに甘えてしまった。
「隼斗、ごめん」
精一杯の笑顔を浮かべる。
これ以上、隼斗に心配かけてはいけないから。
だけど、笑おうとすればするほど顔がこわばり、下手な笑顔になってしまう。
きっとあたしは、すごく醜い顔をしている。



