「あたしは、隼人君が欲しい。
隼人君がどの世界にいても。
……それだけよ」
そう言って隼人に近付き、隼人の身体に触れる。
嫌だ!!
あたしの胸は悲痛な叫びを上げるが、それも隼人に届くはずがない。
あやちゃんがかかっているんだ。
隼人はきっと、折れてしまう。
「懐かしいわ、この大きな胸」
利枝は隼人に身を寄せ、その身体を密着させる。
嫌だ、隼人にそうしていいのはあたしだけなのに。
こんなの、嫌だ!!
「おい、神木……」
達也は困ったように、隼人をそう呼ぶ。
達也はきっと、利枝を嫌っているのだろう。
どうしてだか分からないが。