悲鳴のした方に近付くにつれ、男たちのわいわい騒ぐ声が聞こえる。 暗闇の中、女の子のすすり泣く声も聞こえた。 草むらを掻き分け道を進んだ先。 そこにある小さな広場に、たくさんの影が蠢いていた。 ガタイのいい影が、すらっとした影に蹴りを入れる。 すらっとした影は腹を押さえ、地面に屈みこむ。 「大したことねぇな」 げらげら笑う声が聞こえた。 鼓動が速くなる。 身体から冷や汗が吹き出る。 隼人は…… 「隼人!」 思わず駆け出しそうになった時、 「駆け引きよ」 勝ち誇った女の声が聞こえた。