素敵彼氏の裏の顔






今すぐにでも隼人を探し、駆け寄りたい。

あたしには隼人が必要なのと、その身体に抱きつきたい。

だけど、今は隼人はそれどころじゃなくて。

あたしが隼人のそばに行くと、それこそお荷物になってしまう。







あたしは足を止めた。




結局、一人になってしまったあたし。

孤独に耐えられないあたしは、弱くて脆い人間だ。





この先どうしよう。

荷物は隼人の家にあるけど、あたしの家に帰ろうかな。




そう思った時だった。








どこからともなく、甲高い悲鳴が聞こえる。

聞いたことのある声だった。

直感で隼人の危険を感じ、あたしは声のする方に向かう。







隼人は百戦錬磨だ。

きっと、本気を出したら淳ちゃんよりずっと強いに違いない。




だけど……




手から血を流していた隼人を思い出した。

今の隼人は、きっと人を守ることしかしない。