「何かの間違いだろ」 淳ちゃんはピシャリと言い放つ。 「神木の野郎はこの街にはいねぇって噂だぞ? ……それより、俺は美優のおもりもしねぇと」 どうやら、淳ちゃんは屋台の片付けがしたくないらしい。 だけど、何だか淳ちゃんと一緒にいる気もしなくて。 「あたし、一人でも大丈夫だから!」 そう言って、駆け出していた。 自分が邪魔者に思えた。 あたしがいるべき場所は淳ちゃんの世界ではないということを、まざまざと見せつけられた。 昔から薄々気付いていたけど、あたしは淳ちゃんのお荷物に他ならない。