……え? あたしが口を開く前に、隼人が言葉を発する。 わずか一言。 「城内。美優を頼む」 そう言い残して、人ごみの中に消えていった。 隼人があやちゃんを思う気持ちはすごくよく分かり、理解しているつもりだった。 だけど、何だか寂しかった。 初めて隼人に置いていかれたから。 仕方が無いと必死に言い聞かす。 だけど、黒い気持ちが溢れてきてしまうのだった。