いつの間にか辺りは夕闇に染まり、祭りの会場がライトアップされる。
これから喧嘩を始める不良たちはわあっと叫びながら、河川敷の方へと向かっていった。
ガラの悪い少年たちが減って、残ったのは純粋に祭りを楽しむ人ばかり。
それでも、あたしの耳にはある会話が飛び込んでくる。
「ヤバい、さっき屋台にいたの、城内先輩だよね?」
「今日の喧嘩には行かないのかな?」
「さすがにないでしょ、それは。
てか、かっこいいよね」
そう言ってけらけら笑う。
「城内って、人気なんだね」
隼人が小声であたしに告げる。
「うん。北高内ではヒーローだからね」
そう言って思わず口を噤んだ。



