だが、淳ちゃんは何か大切なことを思い出したらしく、




「そんなことより、橘!」




隼人に詰め寄る。





「……なに?

うるさいんだけど」




相変わらず嫌な顔をする隼人。

時計を見上げ、




「俺、バイト行かなきゃ」




そう呟いた。





その瞬間、待ってましたと言わんばかりに輝く淳ちゃんの顔。

隼人の腕をぎゅっと引っ張り、




「仕方ねぇな。

ニケツして行くか」




にやにや笑う。




どうやら淳ちゃんは予想以上に隼人のことが好きらしくて。

隼人をバイト先まで送り届けるつもりだろうか。