そして……





「かんぱーい!!」




グラスのぶつかり合う、爽やかな音が部屋に響き渡った。

グラスに口を付け、初めて飲むビールを喉に流し入れる。

冷たくて、ジュワッとした泡の感覚が身体を伝う。



あぁ、これが大学、これが大人の味。




大学というところは、今までの世界と全然違っていて。

新しい一歩を踏みだしたという実感がじわじわ湧いてきた。

そして、何故か得体の知れない自信までもが湧いてきて……





そう。

あたしは、完全に酒に呑まれていたのだ。