開かれたドアの向こうには、なぜか顔を真っ赤にした淳ちゃんがいた。
意外とウブな淳ちゃん。
隼人の前を素通りして、あたしに駆け寄った。
「美優、大丈夫か?」
まるで隼人が悪人であるかのようなその言葉。
顔をくしゃくしゃにしてあたしを見下ろした。
「ちょ……ちょっと、淳ちゃん」
あたしが弁明する間もなく、淳ちゃんはあたしをきつく抱きしめる。
淳ちゃんにこんなことをされたのはいつ以来だろう。
触れるだけであれだけドキドキしていた淳ちゃんなのに、なぜか冷静なあたしがいた。
あたしの気持ちは、完全に隼人に向いている。



