恋愛ってこんなに苦しいの?
両思いになって、隼人のことも理解したつもりだったのに。
なのに、どうしてこんなに胸が痛いの?
気を緩めたら、次から次へと溢れる嫉妬の気持ち。
あたしだけなのに。
隼人に触れていいのは、あたしだけのはずなのに。
「隼人の馬鹿!!
あたしの気持ちなんて隼人には分からない!
あたしは……」
「美優」
名前を呼ばれ、ぐっと腕を引っ張られる。
予想以上の力で体がよろけ、そのまますっぽりと温かいものに包まれる。
温かくて、大きくて、そして頑強で……何だか少しだけ安心する。
少しだけ嫉妬の気持ちも弱まっていく。



