「美優ってほんと純粋だよね」
相変わらず穏やかに隼人が言う。
だけど、その言葉がずきんと胸に刺さる。
淳ちゃんの言葉が頭を過ったから。
隼人は一体何人の女を手玉に取ってきたのだろう。
そりゃ、これだけイケメンだもんな。
しかも、妙に女の扱いに慣れているっていうか。
「隼人とは違うから」
悔しくなって、そう返事をする。
今はあたしだけかもしれないけど、だけど昔は……
あたしは顔を上げ、隼人を睨んでいた。
目の端に涙を溜めて。
悔しかった。
切なかった。
あたしの心の中に、嫉妬が渦巻いていた。
「女慣れしてる隼人とは、違うから」



