「美優は分からないのかな?
……それじゃ、妹失格だね」
隼人はそう言って、あたしにジュースを出してくれる。
ジュースといってもただのジュースなんかじゃない。
深紅の透明な液体からは、少し泡が上がっていて。
グラスの端にはレモンの薄切りが刺してある。
「な……なにこれ」
なんて洒落てるのだろう!
思わず聞くと、
「クランベリーソーダ。
嫌いだった?」
平静な顔で言う。
いや、隼人様……
あなた、ハイセンスすぎるよ!?
飲み物と言ったら烏龍茶やオレンジジュースしか想像出来ないあたしは、文字通り目を白黒させていただろう。
隼人はそんなあたしにはお構いなしで。
「さ、テスト勉強しなきゃ」
そう言って、整理整頓された本棚からクリアファイルを取り出した。
テスト勉強なんて、ただの冗談だと思っていた。
テストなんて適当に受ければいいとさえ思っていた。
だけど、どうやら隼人は本気のようだ。
どこまででも真面目な隼人。
正体を明かした瞬間豹変するなんて疑っていた自分が愚かに思えた。



