「え……」 だめだよ、こっちに来ちゃ!! 必死に目で合図をするのに、隼人はゆっくりと近付いてくる。 焦げ茶の髪から覗く顔は、影になっていて表情が分からない。 だが、発せられる殺気は凄まじいものだった。 重い足取りで一歩を踏み出すと、そこから地割れが起こっているかのような錯覚を覚える。 そして…… 「てめぇ、どうしたんだよ?」 呑気な金髪は、ナメた様子で後ろを振り返った。