相手からの鋭いサーブを隼人が軽やかに受け、周りから黄色い歓声が飛ぶ。 高校三年間テニス部として汗を流したあたしとは、比べ物にならないくらいの実力の差。 あぁ……やっぱり隼人は雲の上の存在だ。 あたしは頭を抱え、コートを後にした。 隼人に会いにサークルに来たのに、これ以上ここにいるのも辛い。 少し校内を散歩して、気分を落ち着かせようと思った時だった。