狙われている? そんな大袈裟なこともない。 卓也っつう男側だと勘違いされただけだ。 「何事もねぇだろうよ、今後」 ぶっきらぼうに言い放つ。 仮に狙われたとしても、こいつには関係ない話だ。 だが、目の前の橘は困った顔をしていて。 おもむろにポケットから紙を取り出し、俺に差し出した。 「は?」 敵意剥き出しで睨む俺を、ただ見つめる橘。 いい加減イライラする。 こいつがこんな調子じゃ、俺の調子が狂ってしまう。