隼斗の顔が、ゆっくりと近付く。 金縛りに遭ったように動けなくなる。 あたしは少しだけ震えながら、目を閉じた。 いい香りが鼻腔を刺激し…… 唇にほんの少しだけ温もりを感じる。 柔らかくて、心地よくて。 慣れているなんて思わせない、触れるか触れないかくらいのキス。 ただただ胸が苦しくて、甘くて切なくて。 「城内のこと、好きにならないで。 ……俺のことを好きになって」 静かにそう言った隼斗の声は、震えていた。