「美優はここで待ってろ」 淳ちゃんはそう言ってあたしを電柱の陰に隠す。 昔からこうだった。 淳ちゃんはあたしを争いの場面に連れていかない。 あたしには、危ないことをさせない。 本当に正義の味方みたいなかっこいいことを、さらりとやってのけるのだ。 「絶対帰ってくるから」 そう言い残して、淳ちゃんは曲がり角を曲がって消えていった。