「城内、大学通ってんのかよ?
頭悪ィくせに」
その男は、馬鹿にするように淳ちゃんを見て笑う。
淳ちゃんは男を睨み、拳をぎゅっと握るのが分かった。
その様子で大体想像がつく。
淳ちゃんとこの男は、仲が良くない。
そう、この緊迫した空気は、まるで隼斗と淳ちゃんのようだ。
「何のようだ」
淳ちゃんが低い声を発する。
その敵意に満ちた声を聞くだけで、身体中に寒気が走る。
淳ちゃんは今にでも金髪に飛びかかりそうで。
こんなところで喧嘩はやめて!
そう叫びたいのに、迫力に負けて声が出ない惨めなあたしがいた。