「なんで……
なんで今なの……」
喘ぎ喘ぎ言葉を発するあたし。
あたしの声は、醜い嗄れ声となって淳ちゃんに届く。
一方、
「今だからだよ」
淳ちゃんは至って冷静だ。
「あいつに取られて初めて分かった。
美優がこんなに大切だって」
いつものアツい淳ちゃんとは全然違う。
その声は落ち着き払っていて、重圧感さえ感じられた。
「あんな男に美優を渡したくねぇ。
あいつじゃ、美優を幸せに出来ねぇ」
ううん、あたしは隼斗といて幸せだった。
それは紛れもない事実。
「俺だったら、美優に怪我なんてさせねぇ。
それなのにあいつは……」
「やめて!!」
あたしは叫んでいた。
叫びながら、胸を押さえていた。
ズキズキズキズキ……
身体に痛みが走る。
胸が痛いのは、怪我のせいだけじゃない。
あたしの心が悲鳴を上げていた。



