真子の方を見ずに、俺は頬杖をついた。
だから俺のいう事きいときゃよかったのに。
真子は小さく、ありがとうと言った。
俺のカーディガンを着ると、ブカブカでただでさえ可愛いのに、可愛さはさらに倍増。
だめだ。
ここで可愛いとか言ったら真子は反省しないぞ…!
なんとか自分に喝をいれ、授業に集中する。
「真子かわいー。俺のカーディガン着てる真子、ほんとかわいい〜」
はっ?
後ろからそんな声が聞こえて振り向くと、唯斗がニヤニヤ笑いながら俺を見ていた。
「お前何やって…っ」
「瑠偉の心の中♪」
唯斗の声が小さかったからよかったものの…。


