1時間目が始まろうとした頃、隣から小さなくしゃみが聞こえた。 俺はそれを横目でチラッと確認する。 …あーあ。やっぱ寒いんじゃん、真子。 腕とか鳥肌たってるし。 俺はロッカーからカーディガンを取り出した。 こんなときのためにカーディガン、持っておいてよかったよ、ほんと。 まさか真子のために使うときがくるとはね…。 俺はそのカーディガンを真子に向かって投げた。 だからパウダーシートなんてやるな、って言ったのに。 バカが。 「え、瑠偉っ」 「使えば?」