「そりゃだって、真子に臭いとか思われんのやだし」
「なんだそれ!男といえば汗の匂いだろ?!」
わけのわからないことを言い出した唯斗は、暑いくせに汗も拭かずに俺にグッと顔を寄せる。
「何だよ…男といえば汗の匂いって…」
「電車の中でよく匂うだろ?運動部の汗臭〜いニオイ!!」
だからそれは運動部なわけで…。
お前は運動部じゃないだろ、と心の中でツッコミをいれる。
「それ、女から見たらクサイだけだろ」
「瑠偉は女の反応気にしすぎ!」
「それを言うなら、真子の反応って言ってくれる?」
俺は真子の反応しか気にならないね。
他の女にどう思われたっていい。
俺の世界は真子を中心として回ってんだから。


