「薄暗くなってくるのはもうすぐ瑠偉が迎えに来てくれる合図だもん」 ほとんど校舎に人はいない。 だから人の声もしない。 それなのに薄暗い。 真子は怖くないのか…? 「あたしが少し怖いかも、って思ったら大抵瑠偉の走ってくる足音が聞こえてね」 真子を見ると、バチっと目が合った。 「瑠偉の足音で、怖いの飛んでっちゃうから」 『瑠偉の足音、わかりやすいんだもん』と、少し首をかしげた真子。 もう俺、泣いていいかな。 うるっときた。 …やっぱ真子が、大好きだ。