「帰ろ、真子」 立ち上がって手を差し出すと、真子の小さな手が俺の手をぎゅっと握った。 さっきから俺、可愛いとしか言ってないな。 まぁ可愛いから仕方ないんだけど。 だって可愛いを越える可愛いの表現なんてないだろ? 部室のカギをしめて、薄暗くなってきた校舎を2人で歩いた。 「いっつもこんなに暗い教室で俺のこと待ってたんだな…」 廊下を歩くときに見た教室は、薄暗くて少し不気味。 「怖いけど…でも怖いのはすぐ終わっちゃうから大丈夫」 「え?」