「……瑠偉は…あたしに優しくない…」
「は?」
「お母さんには優しいのに、あたしには優しくない…っ!」
瑠偉は一瞬びっくりした顔をしてから、すごく嫌そうな顔をした。
「やっぱ泣くと素直」
ポロポロ溢れ出した涙が止まらない。
「意地悪でいっつも命令ばっかだし、もうやだっ!!!」
「お前さあ」
「…………」
「俺がどれだけ真子に触ってないと苦しいか知らないだろ」
そんなの知るわけない…。
だって瑠偉、いつも無言であたしを引きずり込んで自分の中にあたしを収めるだけじゃん…。
両手を押し付けられていた手が背中に回って、上半身を起こされた。
「真子には十分優ししてるつもりなんだけどな」
抱きしめ方が優しい…。
ずるいよ。


