体育館行きたくない…。
卒業してしまう…。
「真子一緒に行こ」
「ヤダ。友達と行く」
えっちょっ………ひどくない?
友達と腕を組んでさっさと行ってしまった真子が、一瞬振り返った。
「一緒に帰るのは帰り!瑠偉泣くでしょ?」
勝ち誇ったような顔をして、友達と行ってしまった。
…あー…ずるいよほんと。
もう泣けてきた。
「だから俺がもらってあげるよ?」
「お前は出てくんなうぜえ」
「瑠偉きゅん見てるとちょっかいかけたくなっちゃうんだよね〜」
もう聞き慣れた唯斗の“瑠偉きゅん”呼び…。
最初聞いたときは、こいつバカじゃねぇのって思ったし
そうやって俺を呼ぶからクラスメイトがからかってきたり。
大変だったんだぞ。


