真子のジャケットを脱がせて、自分のロッカーから予備のカーティガンを渡す。
「……ありがと。こないだもこれ借りたよね」
「誰かさんがドジったときの為の予備」
実際、俺が予備持ってても使ったことない。
何かしら真子に貸してる。
「…ごめん」
「そんなことどうでもいいから、真子タオルは?」
「…………あ。焦りすぎてて忘れちゃった…」
………なんか、そうなるだろうなと思ったよ、俺。
そんなときのための!!!
俺のタオル!!!
カバンから出したタオル片手に、真子を無理やり席に座らせた。
「…っ?! 瑠偉?!」
「真子は黙ってて」
スポーツタオル持ってきといてよかった〜。
真子の頭の上にスポーツタオルを乗せて、わしゃわしゃ拭いた。
これでまぁ……だいぶマシになるでしょ。
髪の毛はさすがに自然乾燥に頼るしかないけど、水分だけは取らないとね。
周りのクラスメイトがヒューヒュー言ってるのは完璧スルー。