『じゃあ片桐くんにはあたしの』




真っ白なマフラーを首に巻かれて…



それを巻くために俺の近くに近づいてきた真子。



やば……い。



近いんだけど…っ。




あの、ちょっと。




『よし、おっけ』


『……真子ちゃんのマフラー…俺のよりあったかい』


『じゃああたしは寒い』





そう言った真子がおかしくて、初めて2人で一緒に大声で笑った。




『…明日マフラー返しに来てよ? 片桐くんのマフラー寒い』


『りょーかいです』




2人で教室を出ようとしたとき、急に真子が立ち止まった。




『あのさ、真子ちゃんって呼ぶの、やめて欲しい。あたしも片桐くんって呼ぶのはやめるから』


『え?』