『名前教えて!』
『……………水谷、真子…』
渋々教えてくれた真子の名前を、俺は一瞬で覚えた。
真子の何が俺をそんなに惹きつけたか、全然わかんないんだけど…。
とにかく、あ、この子だって思った。
『俺C組!えっと、水谷さんは?』
『……教えなくちゃいけないの?それ』
『できれば!!…あ、やっぱ教えて!!』
とにかく、次の日も明後日も
話せなくても、真子を見に行ける手段が欲しかった。
『………A…』
『Aってことは…担任は原っちか!』
『まぁ…』
『うわ!やべ!俺行かなきゃ!じゃーね、水谷さん!!』
校舎についている時計が視線の隅に入って、時間がやばいことに今更気づいた。
あと3分で時間ーーーーっっ!!!
とにかく、真子にとって俺の第一印象はかなりひどかったと思う。
自分でもそう思う。