真子が俺の彼女になるまでの話。




高校2年になったばかりの頃。




書道部の体験入部のお手伝いに行こうとしていたとき、見つけちゃったんだ。




オレンジ色の夕日の中で輝く真子を。




特に真子は何をしてるってわけでもなさそうで、多分待ち合わせか何かだったと思う。




部室に早くいかなきゃって思ってはいたんだけど、



無意識に足が真子の方へ向かっていた。




『あの…っ』


『……?』


『俺、片桐瑠偉!!』


『…は?』




今考えると、いきなり自分の前に来た男子が名乗り始めるとか



恐怖でしかないような…(笑)



口の悪い真子だから、ものすごく迷惑そうな顔をしてたけど、



その時の俺にはきっと、そんなのどうでもよかったんだろうな。