照れた真子をこの目にしっかり焼き付けて、なんなら写真に収めたいくらいだったけど。




空いた手で俯く真子の頭をそっと撫でると、真子が顔を上げた。




上げた瞬間にもう一度優しいキスをすると、




真子が俺に向かって飛び込んできた。




「……瑠偉はずるい…」




小さな背中に腕を回して、優しく、でもしっかりと抱きしめた。




「ずるくないよ。ずるいのは真子」


「……いつもはあたしの方がしっかりしてるのに、こういうときになると…ずるい…、」


「はいはい。どっちもずるいね」




こないだの映画のときもそうだけど、


小さな子供みたいに駄々をこねる真子を見ると、父性本能がね…。




どうしても働いちゃうんだよね。




「褒められると弱い真子ちゃん」


「……ふぁ…っ」



……ふぁ?




「なんか…瑠偉に抱きしめられたら、落ち着いて眠くなってきちゃった…」




あーーー……。



心臓粉砕して俺…サラサラになりそう。