「…お待たせ」


「待ってないよ」


「……嘘つけ。待ってたくせに」




ポケットにつっこんでいた手を無理矢理引っ張り出されて、


その場でギュッと握られた。



「…っ!」


「…冷たいじゃん」


「……でもそんなに待ってないよ」




今度からはポケットにカイロを忍ばせておかなきゃ。



俺が自分で待ってたいから30分前待機してるだけなのに。



「真子は俺のことなんて心配しなくて「するの!!!」



へっ……?!



真子が……俺の心配…?




「捻挫の時…あたしのことすごく心配してくれたみたい、だから…っ」


「………」