「ごめんね。あたし瑠偉くんが好きなの。あんなバカっぽいやつだけど…いやバカだけど…。ごめんね」
その男は少しさみしそうな顔をして
「うん!振ってくれてありがと!スッキリした!片桐と仲良くなっ!じゃないと俺も諦めつかないし」
と、真子の手を離して走って校舎に消えていった。
なんか…あいつ。
真子に触ったのは気に食わねえけどいい奴じゃん。
怒ったの、訂正するわ。
「ちょっと瑠偉」
「え?」
「盗み聞きなら完璧にやってよ」
え、俺いるのばれてた?
物陰から身を乗り出しすぎたかな。
苦笑いしながら大袈裟にため息をついた真子の元へ行った。