真子…歩けんのかな。
自転車通学とかだったら…2人乗りとか出来たんだけど。
自転車通学ってわけでもないしなぁ…。
俺がそんなことをずっと考えていたら、保健室の扉が開いて、
真子がヒョコッと出てきた。
「終わったよ」
「あ…うん」
「…どうかした?」
あーうん、ちょっと。
保健室の中にもう一度入って、
真子の散らばった体操服を畳みながら言った。
「俺……、自分が捻挫とかなったことないから、真子の痛みがわかってやれないのがすごいやだ。
俺だけなんにもわかってない」
ほんのり真子の匂いがする体操服をギュッと握る。


