教室前でやっと追いついて、真子の肩をつかむ。 「待ってよ、真子。気づかないの?って何?」 「…大したことじゃないから」 教室の入口でこんなやり取りをする俺たちを、クラスメイトは不思議な目で見ていた。 いつものことだろ、と言って気にしない人もいれば じっくり俺たちのことを観察してる人もいた。 「途中まで言われると気になるじゃん」 「だから、ほんとに大したことじゃないから」